佐賀県西部で、17世紀に日本で初めて作られた磁器「有田焼」。耐久性が高く、美術品から日用品まで様々なものが今もなお生産されています。今回は有田焼についてご紹介します。
日本で初めて作られた磁器・有田焼とは
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有田焼とは、佐賀県有田町とその周辺地域で製造される磁器のことをいいます。透き通るように白い磁肌と呉須 (藍色の顔料) で描いた染付け、ガラス質の上絵具 (赤、緑、黄、紫、青) を用いた華やかな赤絵が特徴的です。
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17世紀初頭に有田で初めて焼かれるようになってから、現在もなお愛用され続けている、日本で一番歴史のある磁器です。江戸時代当時は「伊万里焼」「肥前焼」と呼ばれていましたが、明治以降は産地名がついた「有田焼」と呼ばれるようになり普及しました。様式は「古伊万里」「柿右衛門」「鍋島藩窯」の3つに大別されます。
世界的な磁器ブランドにも影響を与えた有田焼
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17世紀のヨーロッパでは薄い硬質磁器を作る技術がなかったため、日本の白い艶やかな磁器がもてはやされていました。伊万里港からたくさん出荷されていた磁器が「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。伊万里焼を持つことはヨーロッパ貴族の間ではステータスシンボルにもなっていました。
伊万里焼(有田焼)は製造時期や表現技法により、初期伊万里(古伊万里)・古九谷様式・柿右衛門様式・金襴手などに分類されます。中でも、古伊万里や柿右衛門様式は「白い金」と呼ばれ、ヨーロッパの王侯貴族の間で絶大な人気を博しました。ヨーロッパを代表する磁器「マイセン」にも大きな影響を与えたといわれています。
有田焼の主な特徴と現在について
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◎薄くて繊細なのに耐久性がある磁器
有田焼はガラス質の原料を多く含む陶石を使用し、約1300度の高温で焼き上げることで、硬質で耐久性に優れた磁器ができあがります。そのため、薄く繊細な磁器を作ることが可能なのです。
◎自然をモチーフにした美しい絵付け
白磁の真っ白な有田焼は、磁器用の絵の具を使用し様々な絵柄が描かれています。伝統的なデザインとして、花や鳥、木など自然をモチーフに絵付けしたものが有名です。色とりどりの絢爛豪華な絵付けからワンポイントをいれたシンプルなものまで、真っ白なキャンバスに美しく映えます。
◎各分野のプロによる分業制
有田焼が作られる工程は、基本的に分業で行われます。技術や道具の進歩により製法は少しずつ変化してきましたが、成形、施釉、絵付、焼成などの各分野のスペシャリストたちが伝統の技法を継承しつつそれぞれの工程を担っています。
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現在では、国内外のクリエイターとのコラボレーションによる新たなデザインの製作や世界最高強度の磁器材料の開発など、さまざまな試みが進行しています。有田の磁器技術は、伝統を受け継ぎながらも時代の求めに応じて日々進化し続けているのです。
太宰府にあるレストランルアン
有田焼の器が料理に深みと彩りを添える
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福岡県は玄界灘をはじめとした豊かな漁場があり、九州全土から食材が集まる場所。農業、畜産業がさかんで、良質な食材の生産地があり、さまざまな特産物が集まる福岡は、まさに美食の宝庫といえます。
そんな福岡県太宰府市にある「HOTEL CULTIA 太宰府」のレストランルアンでは、地元産の食材を使ったフュージョンフレンチを提供しています。和フレンチに華を添える器として有田焼を使用。お料理の魅力をより一層引き立ててくれます。 明治の佇まいを残す歴史的空間で、五感を刺激するお食事をぜひお愉しみください。
【福岡 太宰府】HOTEL CULTIA 太宰府
所在地:福岡県太宰府市宰府3-3-33
問合せ TEL 0120-210-289 VMG総合窓口(11:00~20:00)
公式サイト:https://www.cultia-dazaifu.com/
日本で最初に作られた焼き物「有田焼」は、まさに日本を代表する伝統工芸品のひとつ。国内はもちろん、実は古い時代から海外の愛好家がいるほど広く愛されていました。歴史とともに進化し続けている有田焼、今後どのように変化するのか楽しみですね。